



藤谷さんの寵愛お世話に溺れるまで|試し読み
藤谷さんの寵愛お世話に溺れるまで|オリジナルストーリー
“二度目まして”の彼は、私のことをもう逃してくれなくてー…。
「もう一回 全部教えないとね」
「千穂は全部、俺のだって」
「やっ……あぁあああっ!!」
その日から、私は彼のモノになった。
彼しか見えなくなった。
でもそんな生活も長く続かなかった。
彼が、あの人と付き合いだしたから……。
それからの私は、毎日が地獄だった。
彼に愛されない日々が続いた。
そして、私に残っていた最後の希望すらも失った。
そう、私は捨てられたのだ。
だから今日は、最後の思い出作りをしようと思う。
彼とのデートを楽しむ。
ただそれだけでいいんだ。
それがきっと、私の人生を彩ってくれるはずだから。
**** 俺は今、とある遊園地に来ていた。
そこで俺と千穂は二人で遊んでいる。
しかし、俺は何か違和感を感じていた。
(なんか……いつもより千穂の反応が悪いような気がする)
さっきから会話が弾まないし、笑顔が少ない。
それに、なんだか今日の彼女は元気がないように見える。
まあ、気のせいかもしれないけど。
でも、なんだろうこのモヤモヤ感。
まるで胸に穴が空いたみたいな感覚。
今まで感じたことのない不思議な感情だ。……まさかこれが恋!?……いや違うな。
これはもっと別のものだ。
例えて言うなら、そうだな…………失恋したときのような胸の痛みに似ているかも。……って何考えてんだよ俺! バカじゃねえの? そもそも俺には彼女がいるじゃないか! 何をいまさら、こんなことで悩む必要があるんだよ! ダメだダメだ!! 今は彼女との時間を楽しまないと!! せっかく久しぶりに二人きりになれたんだぞ? しっかりしろよ俺!! よし! そうと決まれば早速行動に移すしかないな! 俺は彼女に気付かれないように、そっと彼女の手を握った。
すると千穂は一瞬驚いた表情を見せた後、嬉しそうな笑みを浮かべながら握り返してきた。
そして俺たちはそのまま手を繋いで歩いた。
こうして歩いているだけで幸せを感じる。……だけどやっぱり、少し物足りないと思ってしまう自分がいた。
やっぱり俺はまだ、彼女を心の底からは好きになれていないのだろうか? 自分でもよく分からない。
そんなことを考えているうちに観覧車が見えてきた。
どうせ乗るなら高いところからの景色を見てみたいと思い、そのまま二人で乗り込んだ。
席に座ると、俺たちは無言のまま外の風景を見つめていた。
しばらく沈黙の時間が続く。……このままだとまずいな。なんとかしないと。
とりあえず話題を探してみるとするか。……おっ!あれなんて良さげじゃないか? よしっ! これしかないな!
「なぁ千穂……」
「ねぇ啓太君」
えっ!?被ったんですけどぉぉおお!!! しかも最悪なことに同じタイミングで話しかけてしまったようだ。
だがここで退くわけにはいかない。
ここは男として、先に話を切り出すべきだろ!! 俺は意を決して口を開いた。
「な、なあ千穂……。お前の方から言ってくれないか?」
「う、うん分かった……。あのね啓太君。私から一つだけお願いがあるんだけど聞いてくれるかな?」
「ああ、もちろんいいぜ」
「ありがとう。それでね……。その……私とキスして欲しいの!」
へっ!? キ、キスゥウウウッッ!!!? ちょ、ちょっと待ってくれよ!! いきなりすぎるだろ!!……っていうかマジで!? ど、どうしよう!……めっちゃ嬉しいかも/// だって千穂とのファーストキスだし。そりゃあしたい気持ちはあるけど……。
でも彼女がいる身としては流石にそれはマズイんじゃないのか? でもなぁ〜。こんな機会二度と無いかもしれないし。……よし決めた! 俺は腹を括ることにした。
正直めちゃくちゃ緊張するが仕方がない。
「わ、わかったよ。……それじゃあ目瞑れよ」
そう言いながら俺はゆっくりと顔を近づけていく。
そしてついに唇同士が触れ合った。
柔らかくて温かい感触が伝わってくる。
心臓がドキドキして止まらない。
俺の顔は多分真っ赤になっていることだろう。
しばらくの間、二人は無言のままでいたがやがてどちらからともなく口を離した。
名残惜しいがこれで終わりかと思っていたその時だった。
突然、彼女は再び俺に近づいてきて今度は舌を入れてきたのだ。
あまりの出来事に頭がついていけず、俺はされるがままになっていた。
そしてようやく解放された頃には、完全に腰が抜けてしまっていた。
「ハァー、ハァー、ハァー。お、おい千穂……。お前一体どういうつもりだよ? 急にあんな事されたらビックリするだろうが!!」
俺がそう言うと彼女は申し訳なさそうな顔をしながら言った。
「ごめんなさい。実は私、あの人と別れたんだ。だからもう我慢する必要は無いかなって思ってさ。でも嫌だったよね? 本当にゴメンナサイ」
彼女は泣きながら謝ってきた。……ん? 今こいつ何て言った? 別れただとうぅう!? 嘘だろ!? マジかよ!?!? じゃあつまりは俺にもまだチャンスがあるってことだな!? よしっ! こうなったらとことんやってやるぜ!
「いや全然大丈夫だぞ! むしろウェルカムというかなんと言うか。まぁとにかく気にすんな! それにしても、まさか千穂と付き合える日が来るとは思わなかったな〜」
俺の言葉を聞いた瞬間、彼女は信じられないという表情を浮かべた。
「えっ? 何言ってるの? 私たちって元々恋人同士だよね?……もしかして私の勘違いなのかな? でもそんなはずはないと思うんだけど……」
「いや違うぞ! 俺たちは確かに恋人同士で間違いない! ただ、それがずっと秘密にしてただけで……」
俺のその言葉を聞いて、彼女はホッとしたような様子を見せた。
しかしすぐにハッとすると、慌てて俺の方に詰め寄ってきて問いただしてきた。
「ねぇ! どうして今まで黙っていたのか教えてくれるかな? 私は貴方の恋人だよね? なら隠し事はしないで欲しいよ」
「そ、そうだよな……。悪かったよ。本当はもっと早く言うべきだったんだろうけどさ。俺なんかじゃ釣り合わないと思って、なかなか言い出せなくてさ。……ホント情けないよな。自分で自分が許せないよ」
「そっか……。そういうことだったんだね。なんだか納得できた気がするよ。でもね、それでもやっぱり不安になっちゃうんだ。だって君は凄く魅力的な男の子だから。私以外の女の子から告白されて、いつかその子を選んでしまうんじゃないかって思うと怖くて堪らなかったんだ。……ねえ、お願い。私を捨てたりしないでね?」
千穂は涙を浮かべながら俺に訴えかけてきた。
俺は彼女の目を真っ直ぐに見つめながら答えた。
「当たり前だろ? 俺は絶対に千穂のこと捨てたりしないし、一生大切にするつもりだ! 約束する!」
すると、彼女は嬉しそうな表情を浮かべた後、恥ずかしそうに俯きながら呟いた。
「……ありがとう。……大好きだよ啓太君♡」
こうして俺たちは再び付き合い始めた。
これから先、どんな困難が待ち受けているのかは分からないけど、二人で力を合わせればきっと乗り越えられるはずだ! 俺たちはこれからもずっと一緒だ!!………………………………
あれ? そういえば俺、結局一度も好きとか愛してる的なセリフを言ってないんだけど、これってもしかしてまずい感じ?? いや、気付いてなかっただけでちゃんと言ってるのかもしれないけどさ。
もし言ってないとしたら、それはそれで問題ありだよな。
よし、ここは思い切って聞いてみるか!!
「なぁ千穂……。お前、俺の事どう思ってる?」
「もちろん好きだよ」……即答かよ!!
「あ、ありがとう……。……ちなみにどのくらい?」
「うーん……。具体的に聞かれると困るけど、この世で一番大切だと思えるくらいかな?」……ふむ。これは喜んでいいんだよな? 一応、好かれてることには変わりないし。
「あー、そうか……。うん。なら良かったよ」
「ねぇ、それよりさ。せっかく観覧車に乗ったんだから景色見ようよ! ほらっ! 外を見てみて!」
彼女に促されるまま窓の外を見ると、そこには夕焼け空が広がっていた。
オレンジ色に輝く雲と鮮やかなコントラストを成していてとても綺麗だ。
「わぁ〜! 見てよ啓太君! とってもきれいだね!」
「ああ、そうだな」
それからしばらくの間、俺たちは二人並んでその光景を眺めていた。
「ねぇ、覚えてる? 私たちが初めて会った時のこと」
「勿論、忘れるわけないだろ?」
「うん。実はあの時、一目見た時から貴方のことを気に入ってたんだよね。優しくてカッコよくて、まるで王子様みたいだなって思ったの。……だけど、それと同時に不安でもあったの。もしかしたら他の子も同じことを考えて、いつの間にか取られちゃうかもって。……でもそんな心配は必要無かったね。だって今の君は私のことをこんなにも想ってくれてるもん!」
「まあな……。お前がいない人生なんて考えられないからな」
「嬉しい……。私もだよ! 絶対に離れたくない!!」
そう言うなり彼女は突然、抱きついてきた。
そしてそのまま俺の首筋に顔を埋めると、ゆっくりと唇を押し当ててきたのだ。
その後、しばらく無言の時間が続いたがやがて彼女が口を開いた。
「ねぇ、キスしたい……」
「お、おう。わかった……」
俺は再び彼女と唇を重ねた。
今度はさっきよりも長く、深く、何度も角度を変えながらお互いを求め合った。
そしてついに限界を迎えたその時、彼女は突然俺を突き飛ばしたのだ。
「痛ってぇー!……いきなり何すんだよ!?」
「ごめんなさい。実は私、あの人と別れたんだ。だからもう我慢する必要は無いかと思ってさ。でも嫌だったよね? 本当にゴメンナサイ」
彼女は泣きながら謝ってきた。……ん? 今こいつ何て言った? 別れただとうぅう!? マジかよ!?!? じゃあつまりは俺にもまだチャンスがあるってことだな!? よしっ! こうなったらとことんやってやるぜ!
「いや全然大丈夫だぞ! むしろウェルカムというかなんと言うか。まぁとにかく気にすんな! それにしても、まさか千穂と付き合える日が来るとは思わなかったな〜」
俺の言葉を聞いた瞬間、彼女は信じられないという表情を浮かべた。
「えっ? 何言ってるの? 私たちは元々恋人同士だよね?……もしかして私の勘違いなのかな? でもそんなはずはないと思うんだけど……」
「いや違うぞ! 俺たちは確かに恋人同士で間違いない! ただ、それがずっと秘密にしてただけで……」
俺のその言葉を聞いて、彼女はホッとしたような表情を見せた。
しかしすぐにハッとすると、慌てて俺の方に詰め寄ってきて問いただしてきた。
「ねぇ! どうして今まで黙っていたのか教えてくれるかな? 私は貴方の恋人だよね? なら隠し事はしないで欲しいよ」
「そ、そうだよな……。悪かったよ。本当はもっと早く言うべきだったんだろうけどさ。俺なんかじゃ釣り合わないと思って、なかなか言い出せなくてさ。……ホント情けないよな。自分で自分が許せないよ」
「そっか……。そういうことだったんだね。なんだか納得できた気がするよ。でもね、それでもやっぱり不安になっちゃうんだ。だって君は凄く魅力的な男の子だから。私以外の女の子から告白されて、いつかその子を選んでしまうんじゃないかって思うと怖くて堪らなかったんだ。……ねえ、お願い。私を捨てたりしないでね?」
千穂は涙を浮かべながら俺に訴えかけてきた。
俺は彼女の目を真っ直ぐに見つめながら答えた。
「当たり前だろ? 俺は絶対に千穂のこと捨てたりしないし、一生大切にするつもりだ! 約束する!」
すると、彼女は嬉しそうな表情を浮かべた後、恥ずかしそうに俯きながら呟いた。
「……ありがとう。……大好きだよ啓太君♡」
こうして俺たちは再び付き合い始めた。
これから先、どんな困難が待ち受けているのかは分からないけど、二人で力を合わせればきっと乗り越えられるはずだ! 俺たちはこれからもずっと一緒だ!!……
あれ? そういえば俺、結局一度も好きとか愛してる的なセリフを言ってないんだけど、これってもしかしてまずい感じ?? いや、気付いてなかっただけでちゃんと言ってるのかもしれないけどさ。
もし言ってないとしたら、それはそれで問題ありだよな。
よし、ここは思い切って聞いてみるか!!
「なぁ千穂……。お前、俺の事どう思ってる?」
「もちろん好きだよ」……即答かよ!!
「あ、ありがとう……。……ちなみにどのくらい?」
「うーん……。具体的に聞かれると困るけど、この世で一番大切だと思えるくらいかな?」……ふむ。これは喜んでいいんだよな? 一応、好かれてることには変わりないし。
「あー、そうか……。うん。なら良かったよ」
「ねぇ、それよりさ。せっかく観覧車に乗ったんだから景色見ようよ! ほらっ! 外を見てみて!」
彼女に促されるまま窓の外を見ると、そこには夕焼け空が広がっていた。
オレンジ色に輝く雲と鮮やかなコントラストを成していてとても綺麗だ。
「わぁ〜! 見てよ啓太君! とってもきれいだね!」
「ああ、そうだな」
それからしばらくの間、俺たちは二人並んでその光景を眺めていた。
「ねぇ、覚えてる? 私たちが初めて会った時のこと」
「勿論、忘れるわけないだろ? あの時は本当に驚いたな〜。いきなり話しかけられたと思ったら、その相手が超絶美少女だったんだから」
「あははっ。あの時の啓太君ったら、すっごく挙動不審になってたものね」
「仕方ないだろ!? あんな可愛い子に声かけられて緊張しない男なんて居ないからな!……っていうかさ、もしかして俺と仲良くなりたくて来たのか? それともナンパが目的だったり……」
「まさか! 私がここに来たのはただの偶然だよ。実は私、昔はよく家族と一緒にここに来てたの。今日はその思い出の場所に来てみたかったんだ」
「へぇー、なるほどな。……あ、もしかしてお前の家族って、今頃みんなで海外旅行に行ってたりするのか? だったら凄いな! まるで漫画の主人公みたいじゃないか!!」
俺の言葉を聞いた彼女は少し寂しげな表情を見せた。
そしてゆっくりと口を開いたのだ。
「うーん、残念だけどハズレかな。実は私の両親はもういないの。交通事故で死んじゃってさ。……だから今はおばあちゃんの家に引き取られて暮らしてるんだ」
「そ、そうなんだ……。悪い、変なこと聞いちゃってさ。でも、なんで俺にそんな話をしてくれたんだ?」
「なんとなくかな。特に深い意味は無いよ」
「そっか。まぁ、言いたくないことは言わなくても大丈夫だぞ。無理に聞き出そうとは思わないしさ。……よしっ!